2026-09-23
「相続した実家を売るなら3,000万円控除が使えるらしいと聞いたけど、制度自体は令和9年まで延長されたはず。まだ急ぐ必要はないんじゃないか」
「親が亡くなったのは2023年だった気がする。売却はまだ先でいいと思っていたけど、そろそろ調べておいたほうがいいのだろうか」
「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除」は、制度そのものの適用期限が令和9年(2027年)12月31日まで延長されています。しかし、この制度には相続が発生した時期によって決まる、もう一つ別の期限があります。この個別の期限を過ぎると、制度全体の期限内であっても控除は使えません。本記事では、2026年内に売却しないと控除を受けられなくなる人の条件を整理します。
正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」(租税特別措置法35条3項)です。相続または遺贈によって取得した実家(空き家)を売却した際に、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。
相続した実家は、親が一人暮らしをしていたまま空き家になるケースが多く、管理の負担や倒壊・防犯上のリスクが指摘されてきました。この制度は、そうした空き家の早期売却を後押しする目的で平成28年(2016年)に創設されたものです。
この特例は、当初は期限付きの時限措置として創設され、その後も税制改正のたびに延長が繰り返されてきました。令和5年度税制改正により、適用対象となる譲渡の期限は令和9年(2027年)12月31日までに延長されています。国税庁のタックスアンサー(No.3306)でも、対象となる譲渡の期間は平成28年4月1日から令和9年12月31日までと案内されています。
「制度自体はまだ数年ある」という理解は、この一点だけを見れば誤りではありません。ただし、この特例には制度全体の期限とは別に、相続ごとに個別に決まる期限が設けられており、こちらのほうが先に到来する人が少なくありません。
この特例には、譲渡が行われるべき時期について、次のような要件があります。
相続の開始があった日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること(かつ、制度全体の期限である令和9年12月31日以内であること)
「相続の開始があった日」は、被相続人が亡くなった日です。そこから3年を経過する日が属する年の年末が、その人にとっての個別の期限になります。制度全体の期限が2027年12月31日まで延長されていても、この個別期限のほうが先に来る場合は、そちらが優先されます。二つの期限のうち、いずれか早いほうまでに売却を終える必要がある、という理解が正確です。
押さえておきたいこと
「制度の期限」と「自分の相続における期限」は別物です。ニュースや解説記事で目にする「2027年12月31日まで延長」という情報だけを見て安心してしまうと、実際には自分の相続開始日から数えた期限のほうが先に到来しており、気づいたときには間に合わなかった、という事態が起こり得ます。
この「3年を経過する日の属する年の12月31日」を具体的に当てはめると、次のようになります。
つまり本記事執筆時点(2026年9月)で「今年中に売らないと控除が使えなくなる」典型的なケースは、被相続人が2023年中に亡くなった人です。相続発生から3年というと余裕があるように感じますが、遺産分割協議や相続登記、家屋の耐震診断などに時間を要することも多く、気づいたときには年末が迫っているというのは珍しいことではありません。
期限内であっても、家屋や売却方法が要件を満たしていなければ控除は受けられません。主な条件は次の通りです。
相続人が3人以上いる場合は、令和6年1月1日以後の譲渡について、控除額の上限が3,000万円ではなく2,000万円になる点も、令和5年度税制改正で追加された変更点です。
こんな場合は要相談
「確認書の申請にどれくらい時間がかかるか分からない」「解体すべきか耐震改修すべきか判断できない」という状態のまま年末を迎えると、要件を満たせるはずだった売却が期限に間に合わなくなることがあります。控除の適用可否は個別事情によって判断が分かれるため、早い段階で税理士または売却先の不動産会社に現状を伝えて確認することをおすすめします。
控除が使えるかどうかを分けるのは、価格の交渉力よりも先に、「年内に引渡しまで終えられるかどうか」というスケジュールの確定です。買主が現れるのを待つ仲介では、年末が近づくほど間に合うかどうかが読みにくくなります。金額と引渡し日を先に確定できる直接買取は、期限から逆算した動き方をとりやすい選択肢です。
「空き家の3,000万円特別控除」をめぐる期限の考え方を整理します。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 制度全体の期限 | 令和9年(2027年)12月31日までの譲渡が対象(令和5年度改正で延長済み) |
| 個別の期限 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで |
| 2026年内が期限になる人 | 2023年中に相続が発生した人 |
| 家屋の条件 | 昭和56年5月31日以前建築、区分所有登記のマンション等は対象外 |
| 売却の条件 | 耐震改修または解体のうえ更地で譲渡、対価1億円以下 |
| 控除額 | 最高3,000万円(相続人3人以上は2,000万円、令和6年以後の譲渡) |
制度の延長というニュースだけを見て「まだ先の話」と考えていると、自分の相続に固有の期限を見落としてしまうことがあります。特に2023年に相続が発生した実家をお持ちの方は、確認書の申請や耐震改修・解体の段取りを踏まえると、年内の残り期間で動き出す必要があるタイミングです。弊社は埼玉県全域を対象に、旧耐震のまま・古家付きのままでも現状を踏まえたうえで直接査定・買取のご相談を承っています。
「相続はいつだったか」「控除の期限に間に合うか」と気になった時点で、一度スケジュールを確認してみることをおすすめします。
旧耐震のまま・古家付きのままでもOKです。
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控除の期限に間に合うかどうかのご相談だけでも結構です。
お電話:049-256-7142
営業時間 10:00〜19:00/定休日:水曜日
※本記事は2026年9月時点の租税特別措置法・国税庁タックスアンサー(No.3306)に基づいて作成しています。控除の適用可否は家屋の状態・相続関係・売却方法など個別事情により異なり、税制改正により要件や期限が変更される可能性があります。具体的なご判断は、税理士または所轄の税務署にご確認ください。