2026-09-05
「実家のあるあたり、地価が上がっているってニュースで見た。もしかして、思ったより高く売れるんじゃないか」
「でも、うちの実家は最寄り駅からバスだし、建物もかなり古い……。埼玉のどこもかしこも上がっているわけじゃない気がするけど、実際どうなんだろう」
2026年3月に公表された「令和8年地価公示」で、埼玉県内の地価は住宅地・商業地とも5年連続の上昇となりました。ただし、上昇率には地域差が大きく、同じ埼玉県内でも「勢いよく上がっているエリア」と「横ばいに近いエリア」がはっきり分かれています。本記事では、公表されている地価公示データをもとにその実態を整理したうえで、「地価が上がっている」というニュースと「自分の実家がいくらで・いつ売れるか」がなぜ別問題なのかを解説します。
国土交通省と埼玉県が2026年3月に公表した「令和8年地価公示」(2026年1月1日時点の地価)によると、埼玉県内の地価は住宅地・商業地ともに5年連続、工業地は13年連続でプラスとなりました。県平均の変動率は次の通りです。
いずれの用途も前年より伸び率が拡大、または横ばいを維持しており、「埼玉県全体としては地価が上がり続けている」というのは事実です。ただし、これは県内1,278地点の平均値であり、個々の地点を見ると上昇率には大きな幅があります。次章から、その中身を具体的に見ていきます。
県内で特に上昇率が高かったのは、東京都心へのアクセスが良い県南部エリアです。全用途の変動率で県内1位となったのはさいたま市大宮区で+5.70%。ほかにも、工業地では次のような上昇が見られました。
これらのエリアに共通するのは、①東京23区に隣接または近接している、②鉄道路線が複数通っている、③物流施設や再開発事業が進んでいる、という3点です。つまり地価の上昇は「埼玉県だから」ではなく、「東京への通勤・物流アクセスと、再開発という具体的な理由があるから」起きている、と捉えたほうが実態に近いといえます。
県南部だけでなく、JR高崎線沿線で新幹線が停車する熊谷市・本庄市など、県北部の一部エリアでも住宅地の地価上昇が確認されています。都心への通勤時間が新幹線通勤によって短縮できることや、比較的まとまった広さの土地を確保しやすいことが背景にあるとみられます。
押さえておきたいこと
地価が上昇しているエリアの多くは、「駅からの距離」「路線の利便性」「再開発・大型施設の有無」という具体的な条件を伴っています。「埼玉県内だから同じように上がっている」わけではなく、条件がそろった一部の地点が平均を押し上げている、という見方が実態に近いといえます。
一方で、県南部から離れた郊外や郡部では、上昇率が県平均を大きく下回る、あるいはほぼ横ばいにとどまる地点も見られます。地価公示は地点ごとの個別発表であるため、本記事では特定の市町村を「下落エリア」として断定することは避けますが、傾向として次のような条件が重なる地域ほど、地価の伸びが緩やかになりやすいと考えられます。
「埼玉県は地価が上がっている」というニュースを見て、こうした条件に当てはまる実家について過度に期待してしまうと、実際に売却活動を始めてから「思っていたほどの反応がない」というギャップに直面しやすくなります。
そもそも公示地価とは、国が全国の「標準地」について毎年1月1日時点の1平方メートルあたりの正常な価格を発表するものです。あくまで公共事業の用地買収や、固定資産税評価額・相続税路線価の基準として使われる指標であり、個々の土地の実際の取引価格(実勢価格)を直接示すものではありません。
実際の売却価格は、公示地価に加えて、次のような個別事情によって大きく変わります。
つまり、「エリアの地価が上がっている」ことと、「あなたが相続した、再建築不可かもしれない、境界も未確定な実家が高く早く売れる」ことは、まったく別の話だということです。
公示地価と実勢価格のちがい
公示地価はあくまで「標準地」の指標価格です。実際の売却価格(実勢価格)は、周辺の取引事例や個別の建物・権利関係の状態を踏まえて決まります。両者は連動はしますが、一致するものではありません。
地価が上昇局面にあるというニュースは、「今のうちに動いた方がいいのでは」という気持ちにさせる一方で、「もっと待てば上がるかもしれない」という迷いも生みます。しかし、老朽化した建物や再建築不可の土地は、地価公示の上昇局面にあっても、それだけで自動的に売りやすくなるわけではありません。金額と期日を先に確定できる直接買取は、こうした「様子見の期間」自体を短くする選択肢になります。
2026年の地価公示から見えてきたポイントを整理します。
| 項目 | 2026年地価公示のポイント |
|---|---|
| 県平均(住宅地) | 前年比+2.0%。5年連続の上昇 |
| 県平均(商業地) | 前年比+3.2%。伸び率は前年より拡大 |
| 上昇が際立つエリア | さいたま市大宮区、川口市、戸田市、蕨市など都心近接・再開発エリア |
| 伸びが緩やかなエリア | 都心アクセスが弱く、人口減少や再建築不可の土地が多いエリア |
| 実家の売却価格との関係 | 公示地価は指標であり、個別の建物・権利関係の状態で実際の価格は変わる |
「地価が上がっている」というニュースは、それ自体では実家をいくらで売れるかを教えてくれません。大切なのは、自分が相続した実家がどのエリアの、どういう条件の土地なのかを、個別に把握することです。弊社は埼玉県全域を対象に、業界歴10年以上のスタッフが自社で直接買い取ります。建物が古いまま、再建築不可、境界未確定、共有名義——いずれも現状のままでご相談いただけます。
相場のニュースに一喜一憂するより先に、自分の実家の「今の金額」を具体的に知ることが、判断の一番の近道です。
古い建物あり/再建築不可/境界未確定——すべてOKです。
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まだ売ると決めていない方も、相場だけのご確認で結構です。
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※本記事は、国土交通省・埼玉県が2026年3月に公表した「令和8年地価公示」(2026年1月1日時点)の数値をもとに、2026年9月時点の情報として作成しています。市町村・地点ごとの変動率や順位は今後の公表資料・調査年によって変わる可能性があります。個別の土地の評価や取引に関する具体的なご判断は、不動産鑑定士・司法書士、または所轄の窓口にご確認ください。