2026-09-12
「親が老人ホームに入ることになった。実家には誰も住まなくなるけれど、売るとか貸すとか、そこまでの決断はまだできない」
「本人はまだ『いつか戻る』と言っている。その気持ちを無視して家の話を進めていいのか、家族の中でも意見が割れている」
今週9月21日は敬老の日です。帰省や面会のタイミングで「実家をこれからどうするか」が話題にのぼるご家庭は少なくありません。答えを急ぐ必要はありませんが、何を確認し、いつまでに決めるべきかという「判断の手順」だけは、早いうちに知っておいたほうが選択肢が狭まりません。本記事では、親が施設に入居したあとの実家について、整理すべきポイントを順番に解説します。
親が老人ホームや介護施設に入居すると、それまで暮らしていた実家は、誰も住まない「空き家」の状態になります。入院とちがい、施設への入居は長期化・恒久化するケースが多く、「一時的に留守にしている家」ではなく「管理者不在の空き家」として扱わなければならない期間が続くことになります。
この時点で慌てて売却や解体を決める必要はありません。ただし、次に確認すべきことははっきりしています。
この3点は、後述する「売却・賃貸・維持」のどれを選ぶかを考えるうえでの土台になります。特に本人の意向確認は、判断能力がしっかりしているうちでないと後から取り直せないため、優先度が高い項目です。
親が施設に入ったあとの実家について、家族が取りうる選択肢は大きく3つに整理できます。
「まだ決められないから③にする」という判断自体は自然なことです。問題は、③を選んだ場合に「いつまで」「誰が」管理を続けるのかを決めないまま時間が過ぎてしまうことにあります。次の章で、維持を選んだ場合に発生しうるリスクを具体的に見ていきます。
押さえておきたいこと
3つの選択肢のどれが正解かは、家族構成や本人の状態によって異なります。大切なのは「今すぐ決める」ことではなく、「いつ・何を基準に決めるか」を家族の間で共有しておくことです。基準がないまま先送りすると、判断すべきタイミングを逃しやすくなります。
空き家対策の法律である空家法は2023年に改正され、「特定空家等」に加えて「管理不全空家等」という区分が新たに設けられました。特定空家等ほど状態が悪化していなくても、放置すれば将来そうなりかねない空き家が対象になり、市区町村から指導・勧告の対象になり得ます。
ここで注意したいのが固定資産税です。住宅が建つ土地には「住宅用地特例」という軽減措置があり、200平方メートル以下の部分は課税標準額が評価額の6分の1に抑えられています。ところが、管理不全空家等として自治体の勧告を受けると、この特例の対象から外れ、固定資産税が最大で約6倍に増える仕組みになっています。
「誰も住んでいないだけで、特に何もしていない」空き家であっても、庭木の放置や外壁の劣化などが近隣から指摘され、指導が入るケースは珍しくありません。維持を選ぶ場合は、この制度があることを前提に、最低限の管理体制(誰がいつ見に行くか)を決めておく必要があります。
実家の扱いを先送りにしにくくする現実的な事情が2つあります。ひとつは介護費用です。有料老人ホームの費用相場は施設のタイプによって幅がありますが、住宅型では月額費用の中央値がおよそ14万7千円、介護付きでは中央値でおよそ23万1千円というデータがあります。年金収入だけでは不足し、預貯金の取り崩しが続く家庭では、実家の売却が現金を確保する現実的な手段として検討されることになります。
もうひとつは、本人の判断能力の見通しです。施設入居のきっかけが認知機能の低下であるケースでは、時間が経つほど「本人の意思を確認したうえで実家をどうするか決める」ことが難しくなっていきます。売る・売らないの結論を急ぐ必要はありませんが、「本人の希望を、本人の言葉で確認しておく」こと自体は、判断能力があるうちにしかできません。この点だけは先送りのリスクが大きい項目だといえます。
こんな場合は要相談
「本人はまだ判断できる状態だが、施設の入居一時金の支払いが近く、資金化を急ぎたい」という場合は、通常の仲介による売却では活動期間が確保しにくいことがあります。期日が決まっている場合は、早い段階で買取を扱う不動産会社にも相談し、現実的なスケジュールを把握しておくことをおすすめします。
「今は元気だが、この先の判断能力が心配」という場合に検討されるのが家族信託と成年後見制度です。どちらも本人の判断能力が低下した際に財産管理を支える仕組みですが、性質は大きく異なります。
家族信託は本人の判断能力がしっかりしている間にしか契約できません。「施設に入ったばかりで、まだ本人の意思がはっきりしている今」は、こうした制度を検討できる最後の期間である可能性があります。制度の詳細や自分の家族に合うかどうかは、司法書士など専門家への相談が必要です。
どちらを選ぶ場合でも、「本人の意思確認」と「名義の確認」が済んでいないと手続きは進みません。まずは現状を整理したうえで相談する順番が、結果的に一番早い進め方になります。
親が施設に入居したあとの実家について、判断のポイントを整理します。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 最初に確認すること | 名義・本人の意向・管理者の3点 |
| 選択肢 | 売却・賃貸・維持(空き家のまま)の3つ |
| 維持を選ぶ場合のリスク | 管理不全空家等の指導で固定資産税が最大約6倍 |
| 介護費用の目安 | 月額費用は中央値でおよそ14.7万〜23.1万円程度 |
| 最優先で急ぐこと | 本人の判断能力があるうちの意思確認・家族信託の検討 |
実家をどうするかの結論を、敬老の日の帰省や面会の場で無理に出す必要はありません。ただし「本人の意思を確認できる期間には限りがある」ことだけは、家族の頭の片隅に置いておくべき事実です。弊社は埼玉県全域を対象に、業界歴10年以上のスタッフが自社で直接買い取ります。売る・売らないが決まっていない段階でも、金額や時期の目安だけを知りたいというご相談も承っています。
「決めてから」ではなく、「決めるための材料集め」として、まずはお気軽にご相談ください。
売る・売らないが決まっていなくても大丈夫です。
査定は完全無料・秘密厳守。しつこい営業は一切いたしません。
まずは金額や時期の目安だけを知りたい、というご相談も歓迎です。
お電話:049-256-7142
営業時間 10:00〜19:00/定休日:水曜日
※本記事は2026年9月時点の空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)、地方税法上の住宅用地特例、および各種調査による老人ホーム費用相場に基づいて作成しています。管理不全空家等の指導・勧告の基準は自治体の運用により異なり、固定資産税の増減額は個別の評価額・面積によって変わります。施設費用は施設の種類・地域・要介護度によって大きく異なります。家族信託・成年後見制度の利用可否は個別の事情により判断が分かれるため、具体的なご判断は、司法書士・税理士、または所轄の自治体窓口にご確認ください。
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